設計・調達ご担当者様をはじめ、現場担当者様にも役立つプランマブロック基本情報の解説記事第1弾です。
プランマブロックとは
内部に転がり軸受を格納するベアリングユニットとして、一般動力伝動装置全般に広く利用されています。1つのベアリングに対して、複数のプランマブロックが対応しており、使用条件に応じてタイプ・形状・付属品を組み合わせて利用します。
代表的なタイプの紹介
SNタイプ(標準形)
プランマブロックの代表的な形状。二つ割れ、オイルシール用溝は両側各1本、締付ボルト・取付ボルト穴2ケが標準的な仕様。底部はぬすみとなっているが底ベタ型にしたものも鉄鋼設備を中心に多く存在。軸径は30Φ~170Φ。防塵仕様の特殊形やメーカー特注のプランマブロックが製造されているのも、このタイプが多い。他社型番)SNZ /SSN/SBG/SF/SAF
SDタイプ(重荷重用)
重荷重用プランマブロック。二つ割れ、オイルシール溝は両側各2本(ダブルシール)、締付ボルト・取付ボルト穴4ケ。最も大きな荷重を受けられる形状であることから、重厚長大産業設備の駆動軸やラインの主要部に多く利用される。軸径150Φ~450Φ、重量1,000Kgを超える大型プランマブロックもラインナップされている。他社型番)TS/SDL
Vタイプ(一体形)
一体形プランマブロック。オイルシール溝は両側角1本、締付ボルト・取付ボルト穴は4ケ、底部は半底ベタ型。カバーを取り外しながらベアリングの交換を行う。カバーの口径を任意の寸法で加工できるため、多くのベアリングに対応し、軸径35Φ~200Φ、海外では作られていない。他社型番)VA、Vピロー
プランマブロックの呼び方
JIS規格では、転がり軸受用プランマブロック軸受箱と表記があることからプランマブロックと呼ばれることが多いです。しかし下記の通り、様々な呼び方が存在します。型番もメーカーによってそれぞれルールがあり、その内情は大変複雑になっています。※プランマ―ボックスと伸ばす表記も散見されます
- 軸受箱
- ベアリングボックス
- プランマブロックハウジング
- ベアリングユニット
- 軸受
プランマブロックの英語表記
“plummer block“と表記します、海外ではbearing housingと呼ばれていることも多いです。
プランマブロックのJIS規格
二つ割りプランマブロックの寸法精度は、JIS B1551(転がり軸受用プランマブロック軸受箱)で規定されております。一体形プランマブロックについては、日本ベアリング工業会規格BAS188(転がり軸受用一体形プランマブロック)で規定されています。
プランマブロックの歴史
日本国内では、戦後、軸受装置が多く製造されるようになり、それに伴いJIS規格の制定がなされています。昭和40年頃には、JIS B1551プランマブロック改正委員として、京都大学や東京大学の工学部教授等専門家リソースが活用され、現在のプランマブロックの形状や強度など、大きな影響を与える事項が設定されました。
弊社の静破壊荷重値の基礎となったのも、この時期(昭和40年~昭和53年)実施した破壊試験データを基に数値モデルを作成し、強度設計を実施しております。
まとめ(今回のポイント)
プランマブロックは大きく3タイプ(SN/SD/V)に分けられる
呼び方はプランマブロック、その他(軸受箱etc)
英語表記は “plummer block”
寸法精度等はJISや日本ベアリング工業会規格で決められている
戦後1940年頃から規格化されて軸受と共に多く製造されるようになった
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